ふちがみとふなととパスカルズ『1と2』

16の声と楽器さん、歓喜がジュワッと染みわたる〜
「デラックスな3枚組」が京都の夜をよみがえらせた!

歌とコントラバスというミニマムなユニットのふちがみとふなとと、
ピアニカ、トイピアノ、バイオリン、チェロ、トランペット、ウクレレ、ギター、
バンジョー、ドラムス、パーカッション、リコーダー、ノコギリ、おもちゃといった
14人編成の大所帯バンド、パスカルズが合体!
総勢16名の声と楽器で京都・磔磔でのライブ録音に挑みました。

書き下ろしの合作5曲を含む全21曲の作り出す世界は、
時にどこまでも広がる草原だったり、田舎のデコボコのバス道だったり、
人の気配のないジャングルの水辺だったり、夕暮れ時の路地裏だったり。

ふちがみとふなととパスカルズの初共演は2005年7月19日です。
ふちがみとふなとといつか一緒にやってみたいと考えていた
パスカルズのバンマス、ロケット・マツが声をかけて実現。
吉祥寺のスターパインズカフェは満杯になり大好評を博しました。

長い年月を経て2013年9月15日 京都・磔磔、
2013年12月12日 吉祥寺スターパインズカフェ、
2014年4月27日 滋賀県立陶芸の森 と3回共演。

久しぶりの共演は何か形にしたいという欲求を呼び起こして、
ついに2014年9月、あこがれの磔磔録音と相成りました。

ライブ録音Liveは9月25日と26日の2日間開催。
当日は磔磔の象徴とも言える真ん中の大きな柱を中心に
16人がぐるっと円陣を組み、
その周りを取り囲むように客席が作られました。

2枚のCDはライブで演奏した曲順をほぼ踏襲し、
1枚目に前半、2枚目に休憩後の後半を収録しています。
DVDには、映像で観てもらった方が伝わると思われる楽曲が
ピックアップされています。

DVD最後の『しずか曲(アンコール生音バージョン)』は、
磔磔が住宅街に位置することから21時以降の音量を抑えるため、
アンコールの2回目にノンPAで演奏した貴重な映像です。

またDVDエンドロール挿入歌『ヒーのワルツ』は、
ふちがみとふなととパスカルズのあかねの3人で
ライブ翌日に京都市内で録音した唯一のスタジオ録音です。

全3枚でライブのなごやかな感じや緊迫感、
お客さんを巻き込んでの盛り上がりなどが伝わり、
ライブ録音Liveの2夜を体感できる内容となっています。

みなさんに楽しんでいただけると嬉しいです。
どうぞよろしくお願いします。

ふちがみとふなととパスカルズ『1と2』Live at 磔磔 CD2枚+DVDの3枚組
  • PAUL-001
  • 定価3,300円 (税抜価格)
  • 発売日: 2015年4月26日(日)
  • 発売元: パウルレコード
  • 販売元: 株式会社メタ カンパニー(03-5273-2821) http://www.metacompany.jp/

 

収録曲 / 試聴

【CD1】
  1. さまようドライバー(作詞 渕上純子 作曲 ロケット・マツ)
  2. せんたくおひさま(作詞 渕上純子 作曲 船戸博史)
  3. たいしたことない(作詞 渕上純子 作曲 ロケット・マツ)
  4. のはら(作曲 ロケット・マツ)
  5. 南方(作詞 渕上純子 作曲 ロケット・マツ)
  6. 海みたいな空だ(作詞作曲 友川カズキ)
  7. The Homecoming Song(作曲 Abudullah IBRAHIM)
【CD2】
  1. だってチューだもん(作詞作曲 渕上純子)
  2. 魔法(作曲 ロケット・マツ 作詞 渕上純子)
  3. 1と2(作詞 渕上純子 作曲 ロケット・マツ)
  4. しずか曲(作詞 渕上純子 作曲 ロケット・マツ)
  5. Taking Dog Fields(作曲 ロケット・マツ)
  6. キリギリス楽士(作詞 渕上純子 作曲 船戸博史)
  7. アフリカのお手伝いさんのうた(作詞 渕上純子 作曲 不詳)
  8. 三丁目の夕日(作詞 渕上純子 作曲 恵良真理)
  9. 6がつのうた(作詞作曲 渕上純子)
【DVD】
  1. (作詞作曲 渕上純子)
  2. El Don Gavacho(作曲 金井太郎)
  3. 12月に生まれたの歌(原題:星めぐりの歌 作曲 宮沢賢治)
  4. 魔法(作曲 ロケット・マツ 作詞 渕上純子)
  5. 海みたいな空だ(作詞作曲 友川カズキ)
  6. Go! Go! マングース (作詞作曲 渕上純子)
  7. しずか曲(アンコール生音バージョン) (作詞 渕上純子 作曲 ロケット・マツ)
  8. ヒーのワルツ(エンディング曲) (作詞作曲 渕上純子)

※試聴は準備中です。

ふちがみとふなととパスカルズ『1と2』 発売に寄せて

渕上純子(ふちがみとふなと)

「一緒にアルバムを作ろう」。そこから始まった冒険はスケジュール調整にはじまり、京都磔磔を二日間借り切って、真ん中の柱を16人で囲んでその廻りをお客さんに囲んでもらって記録された。メンバー全員に小さいモニタースピーカーを配置して、録音しながらライブとしても成立する音響をととのえるのに、エンジニアさんたちの仕込みは本番の朝まで続きました。共作曲が思いのほかたくさん出来、ライブ録音ライブが初演の曲が多数。その緊張と喜びを一緒に見守って下さるお客さんのエネルギーもあわさって、充実した演奏ができました。そこからも大変。メンバーにとっても、エンジニアさんにとっても初めての形態で録った16の声と音そして映像を製品にするまでの行程もまた、大冒険なのでした。素晴らしいデザインチームも加わって完成した装丁も愛おしい「1と2」。おひとりでも多くのかたのもとに届き、おたのしみいただけますように。

ロケット・マツ(パスカルズ)

CD2枚とDVDが1枚。
たった2日間で起こった事をその3枚にまとめるのに、いったい何日かかったんだろう?
(スタッフのみなさん、本当にお疲れさまでした!)
2日間に起こった事がCD盤に閉じ込められて、食卓の脇のミニコンポから流れてくる。
“ 不思議な劇場 ” から聞こえてくるような音、じっとスピーカーを見てしまう。
その中に小さなミニチュアの劇場があって演奏者の姿が見えてくるみたいだ。
CD1はCD1の物語り、CD2はCD2の物語り、DVDはDVDの物語り、
つくるの大変だったけど宝物のようなCDとDVD「1と2」。
聴いて、観ていただけたらうれしいです。

コメントを頂きました!ありがとうございます!

友部正人(ミュージシャン、詩人)

「土俵に穴を掘って」

自分でまいた塩を自分で掃除して
何度も何度も掃いてそこに穴を空けて
種をまいて水をまき
それから音楽のお相撲をとった
ほら、歌が聞こえる
ハッケヨイノコッタ
土俵に穴を掘って
十六人のお相撲さんたち
それぞれの楽器と声で何回も何回もお相撲をとった

水島博範(磔磔)

嬉しいことです、ライブ アット 磔磔。

昨年の9月25・26日、磔磔で生演奏された曲を選りすぐった(それが証拠にDVDではメンバーの衣装の25日と26日のはちゃんと着替えてます!!)選曲です。ふちがみとふなととパスカルズは16人、16人が磔磔のステージに上がったというがそうではなくて、生(ライブ)で見た人達は、もしくはVIDEOを見た人達は判っているかもしれないが、当日の演奏形態は変わっていて、磔磔の中央の柱を囲むようにメンバー16人は配置され、お客さんはその周りを取り囲むように巡っている ー ありがとう満杯です。
その方が臨場感が伝わる事は、百も承知な事は判るはず。
椅子の一つ一つにも、立つ位置の耳の方向にも臨場感は違うはず。ライブを知り尽くしてるメンバー、スタッフ達の類稀なる発想です。お客さんにちょっと狭い思いをさせながらも、戸惑いながらもお客さんはそうは考えずに相当楽しんでる感がビデオから感じられるので す。

僕は何にも知らずに、以前パスカルズのロケット・マツに尋ねたことがある、
このバンド名は「人間は考える葦である」「パスカルの原理」のパスカルか?
答えは否。マツは親切にもこたえてくれた。H.Pにも書かれているが、フランスの音楽家、 パスカル・コムラード(パスカルズの グループ名の元、現代のサティと呼ばれる)。ぼくは試聴版Detail monochrome / Bel Canto、Cent regards その他を聞いてみたが(ほとんど 「販売終了」「品切れ中」)、
なるほどロケット・マツとパスカルズ はこういうことを音に出してみたいのか、こういうふうにやってみたいのかと興味をそそられた。
たぶん、いままでこの国では誰もやったことがない音楽。

ほとんどがオリジナル、ふるくからの友人でもある友川カズキの曲もあります。 唯一のカバー、The Homecoming Song by Abudullah IBRAHIM の原曲を聞いてみた。
メイン旋律のちょっと長めなシンコペーションをそれと知らずに聴かす気分の良さは絶品です。
パスカルズも断然そうです。つい体が躍るよ、楽しいんだ。
あら、いつのまにか「ふちがみとふなと」もパスカルズに入ったつもりの、コメントでした。

さあ、心と体、躍らせてライブを体験しよう。

中西佳代子(映画コーディネーター)

ふちがみとふなととパスカルズ「1と2」を聞いて

パスカルズの音楽は、世界の理を、風景にして、目の前に差し出してくれる。それは、とてつもない恩寵だと思う。

演奏が始まると、不思議な懐かしい景色にどんどんと包まれて、いろんな場所へ連れて行かれる。のんびりと生き物が草をはむサバンナ、帆に風を受けて海原を進む船上のデッキ、静かな森の奥の草陰、宝物のような食べ物を生み出すだんだん畑、どこまでも続くのはら、遠く地平線を望む、薄暗いどこかの惑星の地表。今ある身体の五感を通して触れている世界の、もう少し先にある場所。惑星の頃の記憶、生命としての記憶。それらがいっぺんに押し寄せてきて、大声で、叫びだしそうになる。

世界のはじまりの場所から溢れてくるようなパスカルズの音楽に、人の暮らしをそっとまるくなでるようなふちがみさんの歌が重なってくる。こころのざわめきや、日々の暮らしの楽しさや切なさ。人の優しさや、おかしさや美しさ。

ふちがみさんが、石川さんが、あかねさんが、知久さんが、パスカルズのみなさんが声をあげて歌うとき、この世界でそれぞれにひとりで立っている、私たちの歌だ、とほっとして、笑ったり、泣けてきたりする。

演奏の時、メンバーのみなさんがぐるっと囲んで円陣を組んだ、磔磔の柱を真ん中にして渦が生まれて、その円環の外側にいたはずの観客だった私たちも、気付いたらその渦に巻き込まれて、一部となっていた。

もう随分昔、吉祥寺のライブの後で、若い友人が「パスカルズになりたい!」と叫んだことを思い出した。パスカルズの音楽になりたいのかメンバーになりたいのか。たぶんパスカルズという現象そのものになりたかったのだろう。その彼に、このアルバムを、聞いてほしいと思った。また一緒に、ライブに行きたい、と思った。

どうか、ひとりでも多くの人が、パスカルズになれますように。なりますように。ふちがみさんの歌に、優しくつかまえてもらえますように。

テニスコーツ さや(ミュージシャン)

いのちのあとに、天国に向かう時に歩いている道で、最後にわたしに流れている音楽があるとしたらこんなに鮮明で、あなたがだいすき、あなたがだいすき、って歌っていたい、できればみんなと、こんな風に、このひとたちみたいに

山崎春美(ミュージシャン、ライター、編集者)

 あれがあるし、これもある。それもあるけど、どれもはない。いや、いらない。いらない。どれもなんていらない。パスカルズは、くるりとなんてまわらない。ただ、ぶらりと懐手のままに三々五々やってきては、気がつけば、あれれ?いましがた、ついさっきまであんなにようけ、おらはったゆうのに、どこぞ行かはりましたん?「あのぅパスカルズの皆さま方ですが、かなり前にもう出ていかれました」と言わせてしまうわけだ。すでにとっくに。だあれもいない。そこには。
 ふちがみとふなとのおかげなのかもしれない。うちあげたんだねと見あぐりなからふとつぶやいてみたらば、うんとだけかえってきたか来ないか切なげに瞬時、刹那にあっ て息づかい漏れて。瀬戸際かろうじて踏みとどまりハンドルよう切りきらんと、飛んだ!ほんとうに。あ、って不意に。言っちゃうんだね。なんて可愛らしいんだろう、あ、あ、あって、さいごへんじゃ枕に顔ごとくぐめては舌の根渇かせずに噛んでは堪えて息だけが。あっという間にぜんぶがぜんぶのあらゆる窓わく一切合切とっぱらいかっぱらい酔っぱらっては銀河のすみずみ至れり尽くしちゃ終わるまでは小鳥一匹見逃すまじと、狙いすまして的中過たず、万が一にも外したら致命傷だけは負わせるべしって、とばっちりだね。いいがかりだね。
 たかだかたったのただ数秒でもう、陽は沈み闇深くとっぷりと暮れては天空の奥の細道を、でもちょっぴり道なりに曲がりくねってる路地裏のすみっこからロケット弾丸撃ちこみ、激しく敵の命さえ奪うくらいはおちゃの子さいさいなロケットまっちゃんの面目躍如でもあるとするならば天晴れ、どうだとばかりに御披露目いっそ爆竹鳴り響きケムリ棚引いて、すがすがしいくらい優れて澄んで、けど行っちまったぜ。おい、よお。流れ星みたいにさ。遊星みたいにな。いうなれば「然るべく正当な手続きを踏まえた隕石」の定石か。だったらそのままにしておいて、こすりあわせて、火を灯そう。打ちひしがれては砂浜に力なさげにすわって、そして。
 パスカルズにうちあげたんだねとはなしかけてから、なにをうちあけることにしよう。褒めてるんだい、こう見えても。
 ふちがみとふなとのせいだけでもないのかもしれないのだ。不条理なんだらうか。不憫ではあるのか。不審に思えよ。浮沈定めは世にならうとしたって、不可思議にもほどがあるだろう。
 ふちがみもふなともふたりともに不在となったと或る日なたぼっこにあけくれるがふさわしき春のうららに急いてせせらぐ川床の、ひんやりと寐ごこちここちよさげに思えただけにあんのほかだったのか。案の定だったのか。
 先は読ませない。未来がないかどうかなんて関係「させ」ない。そしてそれから、そうだ。いらないったらいらない。押しつけられてたとしても誰かにあげたりもしないし、そこいらに捨てたりなんかしない。よってたかって燃やしてしまうんだ。

イベント情報

 

  • 2015年4月8日(水)吉祥寺 STAR PINE'S CAFE *先行発売
  • 2015年4月9日(木)吉祥寺 STAR PINE'S CAFE *先行発売
  • 2015年5月13日(水)名古屋 TOKUZO
  • 2015年5月14日(木)大阪 JANUS
  • 2015年5月15日(金)京都 磔磔
  • 2015年5月16日(土)タワーレコード京都店 *ミニライブ+サイン会

メディア情報