About PASCALS パスカルズとは…

1995年1月結成。ロケット・マツ率いる14人編成のアコースティックオーケストラ的なグループとして、独自なサウンドを築く。

オモチャの楽器やピアニカ、バイオリン等を使ったサウンドは軽妙な中にエスプリやユーモアを配し、他にはない開放感を聴く人に与える。

2001年2月、フランスの音楽家、パスカル・コムラード(パスカルズのグループ名の元となる人。現代のサティと呼ばれ、フランスの若者たちにカリスマ的人気を持つアーティスト)プレゼンツによるCD「Pascals」が DSA(Les disques du soleil)より ヨーロッパ、アメリカ、アジア各地で発売される。ル・モンド紙の“CHOC of The Month”、テレラマ誌の“ffff”、レス・インロックプティブル誌の推薦シール(いずれも各紙の推薦盤に与えられるシール)を獲得。東洋独特のデリケートなメロディ。冒険心、遊び心などと、フランスの多くの音楽誌に絶賛される。

音楽性としては、テクニックやジャンルに頼らない表現を探し、日本という事を確認しながら、出来るだけニュートラルな自由なイメージを目指したいと思っている。

パスカルズの歴史

  • 1995年 1月 下北沢の深夜のイベントライブにて結成。ロケット・マツを中心にメンバーは14人。
  • 1996年 3月 初のワンマンライブ。以後、ライブ活動を重ねる。
  • 1996年 7月 下北沢タウンホールにて田野日出子ダンスカンパニーの公演音楽担当。
  • 1997年11月 日本でのファーストアルバム「こりすちゃん・でお〜る」発表。
  • 1999年 東陽一監督作品映画「ボクの、おじさん」に音楽が起用される。2000年5月公開。
  • 2001年 2月 フランスの音楽家、パスカル・コムラード、プレゼンツによるCD「Pascals」がDSA(Les disques du soleil)よりフランスで発売される。多数の音楽誌で賞賛される。
  • 2001年11月 末開催のフランス、レンヌのトランス・ミュージカルフェスティバル(過去、ニルバーナ、ビョーク、レニークラビッツ、などのアーティストが出演。ヨーロッパでの活動の足掛かりとしたと言われる、歴史のあるフェスティバル。)より招聘を受ける。
  • 2001年11月 トランスミュージカルフェスティバル、その他パリ、ナンシーをまわるフランスツアー。各地で好評を得る。
  • 2002年 9月 日本でのオリジナル2ndアルバム『パスカルズが行く』発表。
  • 2003年 2月 ヨーロッパで2枚目のCD『abiento』DSA(Les disques du soleil)より発売。
  • 2003年11月 RunProductions製作によりフランスを中心にした13ケ所のツアー。各地で好評を得る。
  • 2005年 3月 日本でのオリジナル3rd アルバム『どですかでん』発表。
  • 2005年 3月 RunProductions製作の2回めのヨーロッパツアー。フランスを中心として、スペイン、ベルギーなど、3週間16ケ所を廻る。
  • 2006年 5月 山下 敦弘監督作品、映画「松ヶ根乱射事件」(2006東京国際映画祭コンペティション作品)の音楽を担当。
  • 2006年 7月 フランス、ドイツ、イギリスを回る5週間のツアーを敢行。フランスの3大音楽フェスティバルのひとつ、「ユーロケンヌフェスティバル」にフランス若手女性歌手カミーユとのコラボレーションライブで出演。ピーターガブリエルが創設した世界的な民族音楽フェスティバル、「WOMAD」(イギリス)に出演、好評を博す。
  • 2008年 1月 初のライブアルバム『Pascals Live vol.1 ハイセンス・シューズ』発表。
  • 2008年 4月 ケラリーノ・サンドロヴィッチ台本・演出、原作:マクシム・ゴーリキー「どん底」(Bunkamuraシアターコクーンにて上演)の音楽を担当。
    東京都世田谷美術館主催の「冒険王・横尾忠則」オープニング・イヴェント“パスカルズより冒険王へ”で演奏。
  • 2008年 5月 フランスとスペインを廻る5度目となる欧州ツアー3週間12公演を敢行。スペイン・カセレスのフェスティバル「17th Festival WOMAD Cáceres 2008」などに出演。カンペールでは、フランス政府主催の日仏友好150周年記念プロジェクト関連コンサート、また、フランス各地で子供たちのためのコンサートやワークショップなども行う。
  • 2009年 3月15日 4枚目のオリジナルアルバム『水曜日』を発売。

パスカルズ評

1stアルバム「ふらんすdeでぉ〜る」評

真の意味で独創的で前衛的なフランス在住のカタロニア人音楽家、パスカル・コムラードの名前を頂戴し、彼の曲を演奏することから始まったパスカルズは、当のパスカルさんにいたく気に入られ、その尽力あって、フランスでアルバム「ふらんすdeでぉ〜る」が発売されることになった。変人で気むずかし屋として知られるパスカルさんが、ほかのアーティストのアルバム発売のためにせっせと動き回るとは、極めて異例のことだ。

もちろんパスカルさんは、パスカルズが自分の熱心な信奏者たちだからと動き回ったわけではない。パスカルズがただただパスカル・コムラードの音楽を追究するだけのバンドだったとしたら、彼は決して重い腰を上げはしなかっただろう。確かにパスカルズのスタートはパスカルの音楽へのオマージュだったかもしれないが、彼らはそこから出発して、柔軟に大胆に自分たちの世界を作り上げていっている。

そうしたパスカルズの音楽に、パスカルさんは自分の音楽と共通する独創性と前衛性を見つけ出したからこそ、彼は何とかこの音楽をより多くの人たちに聞かせたいと、恐らくは一生で一度の異例の行動に出たのだ。パスカル・コムラードから始まったパスカルズが、どれだけ彼らから遠く離れて独自の道を進んでいったのか、その答えは「ふらんすdeでぉ〜る」で美しく響きわたっている。

音楽評論家 中川五郎

パスカルズって?

子供の絵を見て感動したことのある人なら分かるはず。子供が取り出す世界の色と形は、大人には真似の出来ない美しさと力を持っている。「パスカルズ」は、見たところは大人のよう(?)だが、ピュアな魂によって世界から掬い取られた音楽は、聞く人を慰め勇気づける美しさと力に満ちている。

TOKYO FM デジタル音声制作部プロデューサー 田中美登里

ふらんすdeでぉ〜る

ほんとに時々だけど、朝、目が覚めてカーテンを開けて、窓の外の草や木に光が差しているのを見たときとか、僕はここに生かされていると思うことがある。

その気持ちは、猫に御飯をやらなくちゃとか、コーヒーを飲もうとかいう気持ちにすぐに紛れていってしまうのだけど。

今、パスカルズのCDを聴きながら、その瞬間の気持ちをふと思い出してしまった。

ここに生かされていることを喜びと感じられるように、僕はふだんの日常を生きていない。まして、今日一日を生きたことへ感謝したりしない。

たぶん、病気で入院している人や、戦渦の中にいる人や、いつも外敵の攻撃に身をさらされている弱い生き物などには、一日は大きく特別なものなのだろう。

パスカルズの音楽は僕には、生きることへの賛歌に聴こえる。この世界に生まれ生きる誰もが、喜びとともに生きる権利をもっているし、いいとこも、悪いとこも、欠点もクセも、うぬぼれも自信のなさも含めて、ひとつの命はたったひとつだ。

たったひとつの命だから、たったひとつの命である他人の一生を尊重できる。人間が長い時間をかけて作ってきた規則とか基準とか慣習とか世間体とかが、まるで、おまえは僕と同じだというように振る舞うから、比較が生まれ、差別が生まれ、僕らは僕は僕で、他の誰ともちがうということを、つい忘れてしまいがちなのだけど。

パスカルズは14人の個人がひとりひとり他の13人の生を尊重することで成り立っているバンドだ。たぶんそれは、僕の知るロケット・マツにとっての理想の国だ。

詩人・ミュージシャン 尾上 文